約 2,308,001 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/617.html
SHINKI/NEAR TO YOU Phase01-3 一向はモノレールに乗り無事市街地へと到着した。 「ふむ、ここが摩耶市のですか。多少煩雑な趣きですが、賑やかな所ですね」 初めてくる市街地がめずらしいのか、ゼリスは駅を出るなりキョロキョロと周囲の街並みを興味深そうに眺めている。 「あちらの派手な外装の建物は? 何やら騒々しい音がしますが」 「ゲームセンター。いろんなゲーム機で遊ぶところよ、ぜっちゃん」 「あのような棒でボールを突いて……何が目的なのでしょう」 「あれはビリヤードね。テーブルの玉を脇のポケットに順番に落としていくゲームよ」 ゼリスは「人間の娯楽はよく分かりませんね」と言いながら、今度は通りの反対側を指差す。 「あれはなんですか? 人形の猫が飲食物を持っています」 「あれはピザキャットの客引き用マスコット〝ニャンキー君〟ね。帰りに寄ってこうか?」 「は~いは~い。ボクはスペシャルニャンキーセットがいいっ!」 姦しく騒ぐ少女三人組(?)の会話を、シュンはうんざりしながら聞いている。さっきから自分たちに向けられる視線が結構痛い。 「それにしてもこの辺りの人たちは神姫が珍しいようですね。道行く皆が私たちを見ていきます。シュン、どういうことでしょう?」 「お前がさっきから人の頭の上に座ってるからだろうがっ!」 思わず声を荒げたシュンは、すぐに周りの好奇の目に気がついた。仕方なくまたブスっと口をつぐんで仏頂面に戻る。モノレールを降りてから、ゼリスはよりにもよって彼の頭の上に居座っていた。 彼女いわく「この方が周囲をよく見通せていいのです」だそうだ。 「あはは。シュっちゃんて昔っから女の子にはテンで弱かったもんね~」 お前が言うなよ、お前がっ。 「ところでさ、シュっちゃんたちは今日どんなパーツを買う予定なの? 物によってオススメルートが変わるから、参考に聞かせてくれると助かるなぁ」 笑いから一転真面目な顔つきに戻った伊吹を見て、シュンも今日の目的を思い出す。そうだった、今日はただ遊びに来たんじゃない。 「え~っと、クレイドルのオプションと周辺機器の他に……。後は……そうそうメモがあったんだ」 シュンは出掛けにジーンズのポケットに突っ込んだままだったそれを取り出す。「どれどれ?」と伊吹がそのメモを興味深そうに手に取る。 「へぇ~……って、これってかなり上級者向けのパーツよ。オーナーになったばかりのシュっちゃんには難しくない?」 「そうなのか? 優のヤツから渡されただけだからよく分かんない」 「ああ、これ優ちゃんが書いたんだ」 有馬優(アリマ ユウ)はシュンの2つ年下の妹だ。最近すっかり生意気になってきたのがシュンとしては少し寂しいかぎり。どうにもよく分からないが、いわゆる思春期の反抗期ってやつだろうか。ちなみに小学校は休みじゃないので、今日は連れてきてない。 「ふ~ん、なら安心だね。優ちゃんしっかり者だしね」 「私としましても、ユウのリストアップしたものならば信頼が置けます。さらに舞さんに厳選していただければ万全ですね」 「僕への信用はゼロかよ……」 シュンの呟きを黙殺しつつ、伊吹とゼリスは早くも意気投合しつつあるようだ。 「ふふふ。ありがと、ぜっちゃん。ああ、ゼリスちゃんだからぜっちゃんで問題ないよね?」 「どの様に呼称されようとそれがそのものの本質――つまりは私自身を指すのであれば問題ありません。舞さんのお好きな呼び方で結構です」 「リョーカイ♪ それじゃあ頑張ってぜっちゃんにピッタリなパーツ選んであげるからね。今の服もカワイくていいけど、そのままじゃね~」 そう。伊吹の言う通り今のゼリスはおよそ戦いとは無縁な装いに身を包んでいる。黒地を白のレースと若草色のリボンで飾ったドレス、俗にいうゴスロリ・ファッションというヤツだ。 こんな格好した神姫が頭の上に座ってれば、そりゃ目立つよな。なんで武装神姫であるゼリスがこんな服を着ているのかは……やめよう、これ以上頭を痛めたくない。 そんなシュンの心中を知ってかしらずか。張本人であるゼリスは彼の頭上ですっかり観光モードに入っている。周りの目を気にするとかいう考えは、そもそも発想すらないのだろう。 全くこいつは、その小さな体で何考えてるんだか。 出会ってからそれなりの時間が過ぎたが、シュンには未だにゼリスが何を考え、何を思って行動しているのか分からなかった。 そもそもこいつ、僕の事を本当に自分のオーナーだと認めているのか? シュンは沸き起こる葛藤を振り切って、先を行く伊吹の後を追いかけた。とにもかくにも。何でもいいからパーツを買って、まずはせめてゼリスにもっと神姫らしい格好をさせよう。 ……この周りからの好奇の目線に、帰りも耐えられそうにないから。 * 武装神姫による対戦ゲーム「武装神姫バトル」が始まったのは、神姫タイプ発売から一年後の2032年のことだ。 武装神姫バトルは管理運営機関である「武装神姫バトル管理協会」の元、幾度ものバージョンアップ、レギュレーションの厳格化、様々なレイティング・クラス分けの導入、オフィシャル・フリーなどの興行様式の明瞭化、関連施設の充実などを経て徐々に洗練されていき、スタートから数年で国内アミューズメントとしての人気と地位を確立させた。 今や年数回開催される公式大会ともなればこぞってマスメディアに取り上げられ、その人気は日本国内だけに留まらず遠く海外にまで広がりつつある。 そうした神姫ブームの立役者が全国各地に点在する神姫専門商業施設「神姫センター」や、神姫をメインに取り扱ったMMSショップの存在だろう。 取り分け専用施設である神姫センターは施設内の各店舗によって神姫の購入、カスタマイズ、修理など様々なサポートを受けることができ、初期ユーザーにとって心強い味方となった。 神姫センターは武装神姫アミューズメントの中心として、現在もなお多くのユーザーたちが訪れる場所となっている。 「うわぁ~、すっげーなぁ」 初めて訪れる神姫センターに、シュンは素直に感嘆の息をもらした。エントランスから施設内に入るとそこはセントラルコートになっていて、平日にも関わらず多くの来客が行きかっている。 正面には大型モニターが設置され、二股の槍を構えた神姫と巨大な十字手裏剣を持った神姫の戦う姿が映し出されている。CMでお馴染みの音楽が流れ、否が応にも気分が高まる。 「ちょっと、あまりキョロキョロすると恥かしいわよ」 「シュンはおのぼりさん♪」 すでに何度も訪れている伊吹とワカナがたしなめるが、シュンは初めて味わう神姫センターの雰囲気にすっかり当てられていた。 「だってさぁ、僕は神姫センター来るの初めてだし。おお、あれなんだ?」 「シュン、それよりもあちらの奥にあるものは気になります。確かめに行きましょう」 「待て、ゼリス。あっちにはあんなのがあるぞ」 「いいえ、それよりもあの上の方に見える施設の謎を解明するのを優先すべきです」 「ああ、ゼリス。向こうから何やら楽しげな音楽が」 「ふむ、あそこの人たちは一体何をしているのでしょう? さらなる謎が……」 「むむむ……」 「なんと――っ」 「右、いや正面かっ?」 「見える……私にも敵が見え……」 「いーかげんにしなさ―――いっ!!」 伊吹のツッコミが眉間に命中し、ようやくシュンとゼリスはハッと我を取り戻した。 「僕たちは一体今何を……」 「なるほど、これが人間たちを魅了する神姫センターの魔力というヤツですか。怖ろしいものですね」 「ああ、気をつけないとな」 神妙な顔で頷きあうふたりに伊吹は呆れつつ、気を取り直し武装神姫ユーザーの先輩としてこの新人コンビの先生役に戻ることにした。 「全く……いい、ふたりとも。一通り神姫センターの施設も案内してあげるから、フラフラせずにしっかりついてくるのよ。そうじゃないと、迷子になっても知らないから」 ジト目で睨む伊吹に、シュンとゼリスに何故かワカナまでがこくこくと頷いた。 必要パーツの購入は問題もなくスムーズに進んだ。 シュンは優から渡されたメモに書かれたパーツの種類の多さから考えて、正直今日中に全て回るのは難しいと思っていた。 しかし、メモを受け取った伊吹は不慣れな彼の代わりにどのパーツをどの店舗で買えばいいのか瞬時に判断し、すぐさま最も効率的なルートを決めてくれた。おかげで途中ゆっくりとした昼食を挟みながら、余裕を持って店舗内を回ることができた。 一通り買い物を済ませたシュンたちは、センター内の軽食店で休憩がてら早めの三時のおやつを楽しんでいた。 「今日は本当に助かったよ。僕たちだけで来てたらこんなにうまくいかなかったからな」 シュンは今日見て回った神姫センターの広さを思い出しながら、素直な感想を述べた。もしゼリスとふたりだけだったら、何を何処で買ったらいいか分からずに途方に暮れるところだったろう。オマケに伊吹が行く先々での値段交渉までしてくれたおかげで、出費も覚悟していたものより軽く済んだ。 だからこそ彼は今こうして、気分良く今回の功労者である伊吹にお礼を兼ねて奢ったりできる訳だ。 「持つべきは頼れるカワイイ幼馴染ってね。シュっちゃんもこれで改めてあたしの有難みが分かったでしょ?」 パフェを口に運びつつ伊吹はご満悦。 「本日のお手並みは見事でした。ルート選択も非常に合理的で、常日頃からの蛍雪が伺えます。伊吹さんはシュンには勿体無いくらいの有徳を持った方ですね」 ほっとけ。まあ、ゼリスも買い物が順調に運んで、気分がいいようだからよかったか。 シュンは大きく伸びをする。テーブルの上ではゼリスが、伊吹がパフェを平らげていく様を見つめている。その横ではワカナが午後のお昼寝タイム中。 朝はいろいろ不安だったものの、買い物中も特に問題も起きなかったし、このままなら今日は無事に一日を終えることができそうだ。 「ふ~、さてと。お腹もふくれたことだし、さあ行こっか!」 「行くって……何処にだよ?」 伊吹はまだ寝ぼけ眼なワカナを抱きしめ勢いよく席を立つ。もう必要なところはすべて回ったはずだし、帰りの時間にはまだ早い。キョトンとするシュンとゼリスに、伊吹は不適な笑みを浮かべる。 「ふっふっふ、諸君。神姫センターといったらアレしかないでしょう?」 「ふむ。伊吹さん、アレとはなんでしょうか?」 首を傾げるゼリスとシュンの前に、彼女は店内に設置された情報モニターを指差した。 そこには次々と眩いエフェクトが切り替わりながら、ひとつのトピックが流れていた。 『NEWヴァーション武装神姫バトル筐体、登場! 美しき神姫たちの熱いバトルが君を待っている!』 ▲BACK///NEXT▼ 戻る
https://w.atwiki.jp/1548908-tf2/pages/862.html
西口良夫 ラビリンス・サーカス1 通常モンスターカード 4枚 ウッド・ジョーカー 仮面道化 マーダーサーカス・ゾンビ 闇・道化師のサギー 効果モンスターカード 19枚 ガーゴイルの道化師 幻想召喚師 ×2 ジャイアント・オーク ×3 ドリーム・ピエロ ×3 マーダーサーカス ×3 ものマネ幻想師 ×2 闇・道化師のペーテン ×3 融合呪印生物-闇 ×2 罠カード 17枚 悪夢の迷宮 ×3 アヌビスの呪い ×3 死霊の巣 ×2 断頭台の惨劇 ×3 デビル・コメディアン ×3 道連れ ×3 融合デッキ 6枚 アルカナ ナイトジョーカー ×3 デビル・ボックス ×3 計40+6枚
https://w.atwiki.jp/nekokonomasuta/pages/2.html
メニュー トップページ メニュー エラッタ・お知らせ 神姫キャラクター作成 ブランクシートVer2,0 火器分類一覧 飛行ルール 追加技能 移動属性 攻撃範囲 回避ボーナス/ペナルティ カスタムルール 武装神姫一覧 フブキ アーンヴァル ストラーフ ハウリン マオチャオ ヴァッフェバニー サイフォス 紅緒 ツガル ジルダリア ジュビジー フォートブラッグ 量産型アーンヴァル フォートブラッグ-ADAMS- カスタムパーツ 格闘武器一覧 射撃武器一覧 頭部パーツ 胸部パーツ 脚部パーツ 背部ユニットパーツ ラック専用パーツ 内蔵パーツ 外装パーツ 腕部パーツ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1307.html
「お待たせしました」 「いえいえ。……おお、見違えましたね」 私の声に応じて振り返ったマスターさんは、そう言ってにっこりと笑いました。 そして、傍に立てかけてあるパッケージイラストと私を見比べます。 「なるほど、箱の絵と同じになりましたね。素のままの犬子さんもアレはアレで素敵でしたが、やはりこちらの姿が武装神姫としての完成形なのでしょうね。より一層素敵ですよ」 「過分なお言葉、恐縮です」 膝を落とし似非正座の姿勢を取ってから、深々と擬似座礼を行なう私。おそらくマスターさんからは、私の倒した背中越しにぶんぶん振られるドッグテイルがよく見えたと思われます。 それから再び立ち上がり、ちょっと調子に乗って色々なポーズで武器を構えてみたりします。 ポーズをつけるたびに、笑顔で律儀に拍手をしてくれるマスターさんは、本当にいい人だと思うのです。 「……おや?」 「? どうかしましたかマスターさん?」 簡易ファションショーを中断し、私は何かに気付いたマスターさんの視線を先を見やります。 そこにあったモノは……武装装着の際に端子から取り外し、パッケージの影に置いた私の両腕パーツおよび両足パーツでした。 「私の余剰パーツが、どうかしましたかマスターさん?」 「どうかしました、と言うか……あの、いま犬子さんの手はどうなっているのですか?」 むむ、なにやらマスターさん、心なしか顔色が優れません。 「どう、と言われましても……」 とりあえず、私は【手甲・拳狼】をわきわき動かしつつ……おもむろに、【腕甲・万武】から腕を引き抜き、むき出しの接続端子をお見せしました。 「このようになっておりますが」 ……はて、マスターさんは、何を一体絶句なさっているのでしょうか? 「本当に、どうかなさいましたかマスターさん?」 「あー、いえ、なんというか……その装備は、そうやって腕を取り外さないとつけられないものなのですか?」 「ええ、そのようになっております」 「……あの、そうやって腕を引き抜いて付け替えるような形でなくて……例えば、普通に元の腕の周りを覆うような形式にはできなかったのですかねぇ?」 「正確なところは設計者に聞かないことにはなんとも言えませんが、私が考えるに、まず第一に仰るようなマスター・スレイブ方式では……」 「すみません、その『ますたーすれいぶ方式』と言うのは?」 「ええと、簡単に言えば中身の動きを外側が真似てくれる機構のことです」 「なるほど、お話の腰を折ってしまって申し訳ありませんでした」 深々。 「いえいえ、こちらこそ至らぬ説明で」 深々。 「では続けます、マスター・スレイブ方式では腕部パーツを内包しうるスペースの確保のために設計的に内部機構を圧迫し、小型化、生産性、強度の低下を招きます。元のサイズが小さいだけに、わりとそのあたりは死活問題なのです。そして」 言いながら、再びわたしはがっしょんと【腕甲・万武】に端子を接続しました。そうして再び制御下に置かれた【手甲・拳狼】を、マスターに向けてわきわきと滑らかに動かして見せます。 「第二に、こうして直接接続・制御することで、マスター・スレイブ方式では不可能な滑らかで繊細な可動が可能となります」 ……って、あら? マスターさんひょっとしてヒいていらっしゃる? 「ヒいたと言うわけでもないのですが……わりかしシュールですねぇ、とは思います」 そうなのでしょうか? 私たち武装神姫はつまり「機械」、修理や換装の際のパーツの付けはずしは当然と認識しています。 ですが、人間の方にとっては、それは不自然に感じるのでしょうか? 「そうですねぇ、人間、というか生体は、滅多なことでは部品の入れ替えはしませんから。 サイズ以外は人間そっくりに見える武装神姫でそうしているところを目の当たりにしてしまうと、戸惑ってしまうのかもしれませんね」 「なるほど、そういうものですか」 「そういうものです」 むむ、なにやら雰囲気が沈んでまいりました。 何とか情況を打開しうる行動選択はないものか、私の記憶野を高速検索です。 ですが、まだ起動したての私の乏しい経験では、現状に即した打開策はそう簡単には…… あ、1hitです。 早速実行してみましょう。 「唐突ですがマスターさん、僭越ながら隠し芸などを披露したく思います」 「おお? 拝見させていただきます」 居住まいを正し、積極的に興味を示すマスターさん。ううむ、どうやらこちらがこの沈みがちな雰囲気を何とかしようとしていることを汲み取っていただけたご様子。 そのお心遣いに報いねば、武装神姫がすたると言うものです。 私はマスターさんに背を向けて腕部パーツに向き直り、再び右腕の端子を【腕甲・万武】から外します。 「む、むむむむむ……!」 そして気合を入れます。 出来ると信じること。 そこにあると認識すること。 それを貫けば、空間の隔たりなど越えられる! 「むん!」 気合一閃、果たして――私は成功しました。 私の目の前で、思惑通りにずり、ずりと動き出す私の腕部パーツ。 「成功です! ハウリンタイプにプリインストールされた48の宴会芸の一つ、『ゾンビ・ハンド』です!」 本来ならば【プチマスィーンズ】に指令を伝える通信波を強制的に変調させ素体制御信号に似通った波長に調整し、それを送ることで取り外したパーツを遠隔的に動かす、【プチマスィーンズ】を標準装備するケモテック社MMSならではのこの技! もともと受信装置など存在していない上、本体バッテリーから切り離された状態での残留電圧によってのみの駆動のためその動きはほんの僅かでたどたどしいですが、そのつたない動きがかえって不気味さを演出するというのがポイントとread meに記載されたこの隠し芸『ゾンビ・ハンド』! 見事それを成功させた私は得意満面でマスターさんを振り返ります。 いやあ、すでに腕部パーツが取り外されていると言うのがまさに絶好のロケーションで、 ……って、あら? マスターさんひょっとしてドン引きでいらっしゃる? 「ドン引き、と言うわけでもないのですが……」 なにやらこめかみの辺りを揉み解すような仕草をしながら、マスターさんは静かに語ります。 「人間と武装神姫は、似た様なものに見えて、やはり越えられぬ溝と言うものはあるのですかねぇ、としみじみ考えていたところです」 「むむむ、なにやら寂しい結論です、マスターさん」 そんな私の背後で、停止信号が送られないために最初の命令に従ってずーりずーりと腕部パーツがのたうって行くのを聴覚センサーが認識しています。 「……ソレ、止めてもらえません?」 「あ、失礼しました」 私はずーりずーり動く腕部パーツを拾うと、外れたままになってる接続端子に接続しました。 また気合を入れて変調信号を送信するよりも、この方が早いのです。 むむむ、しかしなにやら雰囲気が、先ほどよりも一層微妙に。 ここは、ハウリン48の宴会芸の新技を公開すべきでしょうか? 「あー、あのですね犬子さん」 と、悩んでいた私に、マスターさんのほうからお声がかかりました。 頬を軽くかきつつ、なにやら言いにくそうです。 「先ほど、犬子さんは『寂しい結論』と仰いましたが……」 「お気に障ったら申し訳ありません、武装神姫はオーナーとの隔たりを感じると落ち込むものなのです」 膝を落とし似非正座の姿勢を取ってから、深々と擬似座礼を行なう私。おそらくマスターさんからは、丸まった私のドッグテイルはよく見えないと思われるのです。 「あー、いえ、こちらこそお気に障ったら申し訳ありません」 深々と座礼をするマスターさん。そして顔を上げたマスターさんは続けます。 「先ほどの発言ですが、別に拒絶する意図ではないのです。そうやってお互いの違いを正しく認識し、相互理解に努めることが互いをより良きパートナーへと昇華させていくのだと言うあたりで一つ」 「……さすがはマスターさん、キレイにまとめましたね」 ドッグテイル、再びぶんぶんと起動。 「ご理解いただけたら幸いです」 にっこりと笑ったマスターさんは、再び頭を垂れました。 「改めまして、これからよろしくお願いいたします犬子さん」 こちらも擬似座礼でお返しします。 「こちらこそ、至らぬ武装神姫ですが、どうぞよろしくお願いいたします」 顔を上げた私たちは、どちらからともなく笑顔を浮かべるのでした。 「ですがその…アレはもう、やらなくていいですからね?」 「……はい」 こうして私の隠し芸その1は、公開初回にして封印を余儀なくされたのでした、まる。 <そのさん> <そのご> <目次>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/341.html
先頭ページへ 住むべき主を無くした廃屋群。 寂れた町にはレンガの破片や風に吹かれたゴミが散乱し、見る者などいないのに信号は虚しく点滅を繰り返す。 ”ゴーストタウン”……そう呼ばれたこの場所は、0と1との信号の上に築かれた仮想現実の町。 そして、本来何者もいない筈のこのフィールドには、今確かに何者かが存在している。 ―――時は西暦2036年。2006年から繋がる当たり前の未来。 そこは、ロボットが日常的に存在する世界。 武装神姫―――彼女達はそう呼ばれている。 人間の手の平に納まる程の小さな身体に人間と同じ魂を持った、機械仕掛けのお姫様。 神姫の容姿は人のそれと全く同じ。それ故に彼女らに色とりどりの衣装を施し愛でる者も多い。 しかし、このフィールドで繰り広げられているものは武装神姫が武装神姫たる由縁そのもの。 仮想・現実問わずに繰り広げられる、弱肉強食実力至上主義、武装神姫の大舞台――― 立ち並ぶ廃屋群の中心部に佇む一層大きな廃屋の屋上、そこに彼女は居た。 ストラーフタイプの武装神姫。しかし、その面影は頭部にしか残されていない。 その黒光りする両腕は華奢な身体と不釣合いな程に巨大で物々しく、その左手には神姫の全長を軽く超える鋼の剣が握られている。 その一方で腰に着けられた紅い装甲は、スカートを模していて外観を損ねていない。 彼女の姿を見て違和感を抱かないものは少数であろう。 彼女が彼女の主から与えられた名前は”ナル”。セカンドリーグの中でもそれなりに名の知れた神姫である。 今、彼女が参加している試合は”サバイバル・バトル”形式。最後の一体になるまで終わる事が無い形式の試合である。 今回参加した神姫はナルを含め24体。試合開始から既に10分が経過しており、残りの神姫は5体減った19体となっていた。 彼女は廃屋の屋上から刻一刻と変化する現状を掌握しようとしている。 もっとも、デフォルトの光センサだけでは不可能だが、追加された超音波センサやドップラー・レーダーなどの計測機器により、 絶対とまではいかないか、それなりに掌握する事が可能となっている。 そして、その情報は神姫の主へも流れている。 「ナル、3時の方向1500sm先の2体の反応。ソレが一番近い」 「了解しました」 ナルの頭に直接、通信が入る。 主の指令を確認するようにドップラー・レーダーを確認する。 確かに指令通りの方角・距離の2体が一番近かった。 そして、その方向へと向き直り廃屋の床を踏みしめ、一気に蹴った。 推進装置の類を一切使わない脚力のみの跳躍。それだけでおよそ100smは進む。しかもほんの一瞬でだ。 一瞬の空中散歩の後、衝撃を分散するよう脚を曲げ、腰を深く落とし着地する。 そして、曲げた脚を再び伸ばして跳躍。 同じ様に跳躍と着地を繰り返して、廃屋から廃屋へとさながら飛ぶ様に目標へと接近して行く。 目標を肉眼で確認できる距離、およそ120smまで近づいた時、ナルは深く腰を沈めて前傾姿勢を取った。 そして、跳躍。ただし、今度の跳躍はただの跳躍ではない。 腰に着けられた装甲に内蔵されたブースター。それを全開にしながら跳んだのだ。 その速度は正に弾丸とも言える速度であり、120smの間を一瞬で縮めるのには充分過ぎる速度だった。 ナルは目前に迫りつつあるターゲットを確認すると、自身の記憶装置に内蔵されたデータと示し合わせる。 2体の神姫はネコ型のマオチャオ、そしてイヌ型のハウリンである事が直ぐに判明した。 2体は見るからに戦闘中であり、両者共に満身創痍と見える。 その証拠に、装甲には所々傷が目立ち、息も上がっている。何よりナルの接近にすら気付いていない。 ナルは腰のブースターを停止した。僅かに速度は下がるが、これまでで充分な加速は付いていた。 その代わりに背部の補助スラスターを少しだけ吹かす。 補助スラスターによって身体は僅かにずれ、ナルはマオチャオの背後へ向かい文字通り突撃した。 マオチャオの背後を掠めるその瞬間、左手に持った剣を大きく薙ぎ、マオチャオの右肩から左腰に向かい袈裟切りにする。 そして、脚を曲げて腰を深く落とし衝撃を分散する様に着地するが、ヒビだらけの道路を粉砕するにはまだまだ充分な破壊力を持っていた。 マオチャオは断末魔というには余りに可愛らしい声を上げ、データの塵へと化して行く。 ナルはそんな事などお構い無しにハウリンへと巨大な砲と化した右腕を向ける。 今の今までただ呆然としていたハウリンはようやく状況を飲み込んだのか、回避しようと右へ跳んだ。 しかし、ナルの右腕から放たれたエネルギーの塊はマオチャオのデータ片を飲み込み、ハウリンの両腿から下を飲み込んだ。 エネルギーの塊はなお突き進み、奥にあった廃屋に激突し衝撃波を伴う爆発を起こした。 腿から下を失ったハウリンはどうする事も出来ずにただ吹き飛ばされる事しか出来なかった。何度も何度も地面を転がった後、ようやく止まる事が出来た。 ハウリンは黒煙に包まれながらもまだ自身が動いている事に安堵した。 それと同時に先刻の事を思い出し、恐怖に身体を震わせた。 そして、自らのマスターへとギプアップの旨を伝える為に通信を開いた。 幸いにも周囲は黒煙に包まれており、視界は0に等しい。 そんな今ならば間に合うかもしれない。あのマオチャオの様な事だけは御免だと、内心焦っていた 「…ご、ご主人様! もう駄目です! 速く、助けてっ―――」 しかし、その願いが聞き届けられる事は無かった。 何故なら、ハウリンは黒煙の中から振り下ろされた剣によって、文字通り両断されてしまったからだ。 ハウリンは双眸の光センサから自身を両断していた剣がゆっくりと引き抜かれていくのを呆然と眺めていた。 ふと、剣の持ち主と目が合った。彼女は眉をぴくりとも動かさずにこちらを見つめている。 「ビームを避けた時の反応、良い反応でした。しかし、その後は無様でしたね。まさに負け犬と言った感じでしたよ?」 薄れ行く意識の中で少しムカっと来た。 「……次は楽しめることを願っていますよ」 しかし、何故だろうか。先程の恐怖感が消えていた。 もっともこの胸のムカつきに掻き消されただけかもしれないが。 断末魔を上げる事無くデータの塵となっていくハウリンを見届けると、ナルは周囲に蔓延する黒煙を払うよう乱暴に剣を大きく薙いだ。 「ご苦労様、ナル」 「ありがとうございます、マスター。…次の目標へ向かいます。指示を」 「……ナル、どうかしたのかい?」 ナルのほんの少しの違和感を感じとったのか、主が優しげに声をかけてきた。 「…いえ、何でもありません。指示をどうぞ」 少し戸惑いながらも、ナルは平静を装い主に言葉を返す。 「今のハウリンだろう?」 「……」 「今のハウリン、確かに反応は良かった。ここまで初期装備で来ただけの事はある。だけど…そこからがお気に召さなかったんだろう? だから柄にも無くあんな毒を吐いた…だろ?」 「マスター……、申し訳ありません」 心を見透かされた様な言葉に驚きを隠しつつ、何と言ったら良いか解らずナルはとりあえず謝ってみた。 「俺もだよ……あのハウリン、伊達に初期装備で修羅場を潜って来た訳じゃない。問題があるとすれば、マスターだな」 まるで自分にも言い聞かせるように主は呟いた。 「次に期待します」 「そうだな、その通りだ。今は試合に集中しよう……っと。ナル、お客さんだ」 主の雰囲気が一瞬で変わった。 先程までの穏やかな声音では無く、突き刺すような鋭い声音。 「……! 確認しました」 ナルもそれに伴い思考回路を切り替え、索敵を行う。 確かに、驚く程では無いがそれなりに近い距離に三つの反応があった。 普段はここで会話は終わるのだが、珍しく主から声がかかってきた。 「……ナル、思う存分大暴れしときな」 「…了解しました」 予想外の言葉に驚きつつ、反応がある背面に向き直る。 反応は少しずつだが確かに近づいて来ている。 恐らく、敵はこちらのセンサーが強化されているのを知らないだろう。 知っていたらジャミングくらいはかけて来ているはずである。 しかし、これから放つ攻撃は並大抵では防ぎきれないので関係無い。 そんな事を考えながら、ナルは腰を落としてブースターを最大出力で点火。真上に向かい跳躍した。 蹴られた地面が砕け散るのを一瞥もせず、只管上空へと跳び上がる。 瞬く間にゴーストタウンを飛びぬけ、神姫が点の様にしか見えない高度まで上昇すると姿勢制御スラスターを吹かして体勢を安定させる。 そして、右腕の高出力粒子砲「銃鋼(ツツガネ)」を構え、エネルギーを充填する。 右腕は唸り声を上げ、神姫の腕より一回り太い砲身の先端に淡い光が集まる。 淡い光は、より低く大きくなっていく唸り声と呼応するように輝きを増していく。 まるで太陽のような極光は、唸り声が最大限に達すると同時に掻き消えた。 不気味な程の静寂。それは正に嵐の前の静けさだった。 「ソイツを使うかい」 ナルは主に言葉ではなく、口の端を軽く吊り上げることで返した。 ナルの持つ最大最高の破壊力が、眼下のゴーストシティに向けて解き放たれた。 ナルの右腕によって放たれた、まるで雨の様な光弾はゴーストタウンを文字通り穴だらけにした。 当然、ナルを除く残っていた全ての神姫は一瞬で破壊され、サバイバル・バトルはナルの優勝と言う形で幕を閉じた。 本来、優勝者である筈のネルとその主は表彰式に出なければならないが、パスした。 当然主催者は困惑したが、賞金と賞品を辞退するという事で渋々ながらも許可してくれた。 通常、サバイバル・バトルは2~3時間程度かかるものだが今回は僅か50分前後で終了。 それに準備時間と表彰式のゴタゴタを含めば、試合開始から約1時間半。太陽はまだ高い。 町並みの中でも一層目立つセカンドリーグ・センター、そこを後にナルとその主は早めの帰路に付いた。 「まさかアレを使うとはなぁ」 「…申し訳ございません」 若干上機嫌な主の言葉を責めと取ったナルは主の大きな手の平の上で本日二度目の謝罪を口にした。 「何も怒ってる訳じゃ無いさ。あのナルがアレを使うほど苛付くなんて珍しいじゃないか」 「……うぅ」 「それに……」 「?」 「いつもシャッキっとしてるナルがガス欠で身動きできない姿なんて中々拝見できないからなぁ」 高出力粒子砲「銃鋼」、その破壊力は確かに秀逸だが、燃費がべらぼうに悪いという欠点を持っている。 その為、最大出力で撃てば追加バッテリーだけでなく、神姫本来のバッテリーを活動限界ギリギリまで食い尽くす。 よって、今のナルは主の言葉どおり頭部しか動かせない省電力モードになっている。 ナルは身動き出来ない身体を主に抱きかかえられているのと、悪戯っぽく見つめられている事からひどく赤面していた。 「ちょっと待てやッ!!」 和気藹々とした雰囲気を打ち壊すような怒号が麗らかな昼下がりの町に響き渡る。 その瞬間、主の気配が先程と180度変わったことにナルは気付いた。 「……何か、御用で?」 ゆっくりと、声の主に振り向きながら主は応えた。 ナルも別段驚きもせずその声の主を確認した。 「何か御用?じゃないわよッ!!」 その声の主は主に比べて、というか一般的な成人男性に比べて小柄な体躯で可愛らしい声の持ち主……つまり、女の子だった。 見た目15.6だろうかとナルは逡巡した。 何か主がこんな女の子に因縁を付けられる様な事があっただろうか? 心当たりが無いといえば嘘になるが、今一番可能性が高い事柄を頭に浮かべ、それが間違っていないだろうと考えた。 その女の子は左手に神姫用カーゴボックスを持っていたのだ。しかも、ご丁寧に緑を主体としたカラーリングで。 「よくもあたしのトロンベをタコにしてくれたわねッ!!」 女の子は左手にもったカーゴボックスを主に突きつけながら咆哮した。 ナルの予想は当たった。トロンベと言うのは真っ二つにしたあのハウリンだろう。 それにしても、この剣幕は鬼気迫るものがある。 「アレは恨みっこ無しの試合だ。それにタイマンだからタコ殴りは誤りだよ、お嬢さん?」 今にも掴みかかってきそうな女の子に比べ、主は飄飄としている。 当然、女の子は顔を真っ赤にながら主に詰め寄ってきた。 その距離は10cmも無く、小柄な女の子は主を少し見上げる形になった。 「もう一度あたしと勝負しなさいッ!!」 「おや、お嬢さんは俺にポイントを稼がせてくれるという訳かい」 「……この…青瓢箪が、言わせておけばッ!!」 遂に堪忍袋の尾が切れたのか、主のこめかみ目掛け右足を振り上げてきた。俗に言うハイキックだ。 神姫であるナルの目から見ても、中々鋭い蹴りだった。素人だったら一撃でダウンしていただろう。 しかし、主はそこまで柔ではない。 「……お嬢さん、熱くなりすぎだ。幾ら負けたのが悔しいからってリアルファイトは頂けない。それじゃあ本当に、負け犬の遠吠えだ」 主は女の子の右足を左手を軽く添える様に受け止めていた。 女の子はよほど自信があったのだろうか、絶句している。 「それに、女の子がそんなはしたないマネをするもんじゃないさ」 そう言うと主は添えていた手を離した。 その瞬間に女の子は飛びのく様に後退った。 「……っ、アンタ名前は!?」 「…倉内 恵太郎」 「あたしは水野アリカッ! 覚えてろよっ!!」 水野アリカと名乗った女の子は踵を返し凄まじい勢いで走っていた。 ナルはふと沸いた疑問を口にした。 「……カーゴボックス、あんなに振り回して大丈夫でしょうか」 「……マズイんじゃない」 先頭ページへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2625.html
朝の住宅街、時間にして八時ごろの通学路。歩道を歩く高校生たちが多少いる程度、その中の一員の僕はある冊子を両手で持ち、読みながら歩いている。あまり深く読んでいると、人にぶつかるから流し読みで頭に入れていく。 「おっはよー! 螢斗!」 「うわっ!……っと、いきなりなにするんだよ」 突然後ろから挨拶とともに軽く突き飛ばされた。 後ろを振り返るとクラスメイトであり友達の伊野坂 淳平に悪態をつく。 「いやね、気難しい顔でなんか読んでいるもんで、つい」 笑顔で飄々とした雰囲気の淳平が言う。全く悪びれる様子のない友達に軽く気が滅入る。 「マスター!! すいません、螢斗さん。マスターがまた迷惑なことを」 淳平の胸ポケットには、天使型アーンヴァルと言われている神姫のミスズが申し訳なさそうにしていた。こんなマスターに対してだと気苦労が絶えなさそうだ。 「いや、もう淳平がそういう人だってわかってるからさ、大丈夫だよ。……そうだ。武装神姫持ってる淳平に聞きたいんだけどさ、クレイドル余分にある?」 突き飛ばされるのはよくないが、学校についたら尋ねようとしていたのでちょうどよかった。 「うん? ちょっと傷があって古いのがあるけど、どうしたんだ?」 「確かにそうですよね、螢斗さんって神姫を持っていなかったはずですし」 「……えーとね、なんかよくわからないけどさ、昨日神姫を拾った……というか……保護してね」 「え!?」 二人が声を揃えて驚く。 昨日の夜にあったことを僕は話すことにした。僕の家にいる神姫の事を。 一章 戦えない神姫 「……あれ?」 住居の多い町の中、僕はアルバイトを終えて帰ろうとしていた。 普通なら静かな時間、夏も近いこの時期、虫の声ぐらいしか聞こえないはずなのだけど。 ――い……や……あ…ち…………っ―― 立ち止まって、耳を澄ましてみると、擦れながらではあるが高い声が少しだけ聞こえてくる。右の路地の奥、多少は広く放課後の時間帯には子どもがよく遊ぶ姿が見られる公園がある。声らしき発生源はそこから聞こえてきているようだ。 とりあえず僕はそれが気になってしまい公園内に足を踏み入れた。 そこにあったのは―― 「いやー!やめて!どっかいってください!!」 悲鳴を上げながら、公園内の電塔、僕のちょうど膝辺りの高さに掴まっている。 叫んでいる人形もとい、多分、神姫と野良猫がいた。 猫は動く人形に興味があるようで、パシパシと前足ではたき落そうとしているが、ぎりぎり当たらない位置にしがみ付いているので、猫のパンチは届かずにいる。 「……しょうがないな」 なんでこういう展開になっているのか分からないけど、悲鳴を上げるほど困っているみたいだし、助けないと。 「こら!!」 少し大きな声を上げたら猫は「ギャッ!」と鳴き奥の茂みに駆けて行ってしまった 「はぁ……キミ、大丈夫?」 「キャー!!イヤー!!」 あまりのパニックに僕が来たことも、猫が逃げたことも神姫の少女はわかってはいなかった。 「ねえ。ちょっと、話しをっ…て……あ!」 突然声が止み、フラっと後ろに倒れ落ちようとしたが、地面に衝突する前になんとか手の平で受け止めることができた。 「ねぇ! 大丈夫!?」 そこには電池が切れたようにうんともすんとも言わなくなった神姫が一つ。 「……どうしよう、これ」 ---- 「ふーん、そんなことがねぇ」 「さすが螢斗さんです。私も螢斗さんにはマスターの入学時に助けられましたからね。人間の鑑です!」 「あ……うん、そうなのかな」 まっすぐに言われると、なんか照れるな。 「うっわ、おまえ。懐かしいことを引っ張り出すなよ。それで螢斗とも仲良くなったんだろ」 HR前の教室の中で、僕は経緯を話した。とりあえずそのまま持ってきてしまい、自分の家に帰った後、ネットで調べてみたら、この神姫はアーティル型ということと、倒れたのは充電が切れただけということがわかった。冊子はプリントアウトしたもので武装神姫についての種類名とか基礎知識が載っている。 「それにしても野良の神姫かな、それは。でもな~、神姫はクレイドルで充電しなきゃ一日でアウトだしなー」 「まぁ、それはそうなんだけど、神姫が野良になることってあるの?」 僕はそこが気になっていた。武装神姫をちゃんと知ってみると、自分のオーナーを認識すれば、信頼をおく。古い言い方であれば忠誠を尽くす、といったプログラムがされているのが武装神姫であるとそう考えていた。 「えっとですね、例えば武装神姫を戦わせる遊びがあるのです。ゲームセンターにも専用スペースがあったり、神姫センターとかでは大会もあるんです。そういうバトルの中、負け続きのような神姫がいれば、捨てる人やお店に売ってしまう人がいますね。あくまで一例ですけど」 あまりに酷いオーナーだったら、神姫の感情なんて考えずにそんな仕打ちをするのか。所詮は玩具って考え方なのかな、そういう人たちは。 「さすがミスズ。詳しいぜ。まぁ俺はミスズにはそんなこと絶対しないけどな!」 「え……あっ……ありがとうございます」 満面の笑顔で淳平は言うと、ミスズの顔が少し赤らんだ。嬉しさと照れが混ざっているようで窓の外にそっぽ向いている。 「……仲がいいことで」 淳平みたいなのが多かったら捨てる人も売る人も出てこないなとも思ったが、アホな人が増えるのも困るなと僕は思った。 ---- 学校が終わり、淳平の家に寄って、ちょっとキズのあるクレイドルを借りてきた。ミスズを買った当初、淳平がうっかり手を滑らせてしまい落としてしまったとのこと。所々のキズはその時できたらしい。 これはいかんということで、淳平は中古でもいいから、綺麗なクレイドルをミスズの為に用意したとか。本当に大事なんだな。 これは別にいらないから貰ってもいいと言っていたけど、テーブルの上の、この神姫がいる間はありがたく使わせてもらおうと思った。逆にこの子がいなくなったら返そうと思ったりもしたが。 「まぁ、この子次第なのかな」 自分の部屋のテーブルにクレイドルを置きプラグコンセントに繋ぐ。 神姫を台の上に乗せる。接触しているだけで充電が行われているらしい。軽く動く程度なら数十分でいいが、せっかくなのでフルの状態までと考え、僕は家事をしながら時間をつぶすことにした。 夕食を食べ終え、周りの家が寝静まる時刻。部屋で本を読んでいると「う、うぅん」と声が聞こえ出した。 読んでいた本に栞を挟んで、クレイドルの前に移動した。見れば目を覚まし動き出した神姫が、人間と同じような仕草でゴシゴシと目を擦っていた。 「……えーと、おはよう」 夜の時間帯だけどね。と心の中で付け加える。 何を言えばいいのかわからなかったので、無難に挨拶をしてみることにしたのだが。「え、……っあ! あわわわわ!!」 するとクレイドルから飛び出し、パニック状態にまたもや入った。尻もちをついた状態でものすごい速度で後ろに下がりだした。当然そこはテーブルの縁に行きつく。「あっ」と空気を出す声のまま落ちようとしたが―― 「危ない!……と、またこの展開……」 なんとか片手を伸ばして、落ちる前に支えた。溜息をついて、神姫の少女をクレイドルに戻した。 あらかじめ水の入ったペットボトルを用意していたので、蓋に水を入れる。 「ほら、これ飲んで落ち着いて。神姫は飲み食いできるよね?」 「え、……あ……はい」 腕をつかって少しずつ水を飲み、息を吐いたのを見てひとまず僕は安心した。 「私はその、確か猫に……」 「うん、知ってるよ。昨日君が野良猫に追われているのを見つけてさ、助けたときに充電が切れたみたい。それで僕の家に運んだんだ」 「……すいません」 あんなに騒いでいたのだけど、それは気が動転してたせいで、この子からは物静かな雰囲気が漂っている。 「別にいいよ、僕の名前は長倉 螢斗。名前を聞いてもいい?」 「私は…………いいえ。自分の名前はありません」 神姫は少し考えてからそう言った。隠してるのかもしれない。見知らぬ人だから警戒するのもしょうがないよな。 「……名前がない。それじゃ、君の持ち主……えっと……君のオーナーとは何があったの?」 「……」 詮索しすぎは失敗だったろうか。黙っちゃうし聞き出しにくくなってしまったな。 武装神姫はオーナーがいないと成り立たない。この子とオーナーの間になにかがあったのは確実だし、家出してるっぽい。捜索願って神姫には出せるのだろうかとか色々考えた。 この子を見ていても座り俯いていて、表情はわからない。 「わかった、無理に言わなくていい。ここに居てもいいし、自分のオーナーの元に帰りたくなったら、いつでも言って。僕がなんとかしてみるから」 「……」 ……あれ、おかしいな。アーティル型は「基本は熱血な性格」と書いてあったのに、この子からは全く熱血さを感じないぞ。物静かさしかない。 そうとう酷いことがあったのか、それともCSCの性格か。同じ種類の武装神姫でも、性格は千差万別あるらしいのでこれも個性なのかな。 ――これから、どうすればいいのだろう。 そのまま、どうすることも出来ず、その日はタンスにあったハンドタオルを毛布代わりにかけてあげて、僕も眠った。
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/12572.html
聖剣のソードラビリンス 登場人物 コメント 間宮夏生によるライトノベル作品。 登場人物 チラチーノ:アレク・ヴォルフガング ビークイン:セレスティア ノコッチ:レヴィ・レンブラント 夢特性:びびり 技:ドリルライナー(コロッサルランス) コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/busou_bm/pages/15.html
2chテンプレ 1 2 3 1 武装×美少女×アクションバトル 神姫たちの新たな戦い!舞台はPSPへ! フィギュアとPC用ゲームの連動で展開している『武装神姫』シリーズ。 その独自の世界観とキャラクターが、3Dアクションゲームとなってついにゲーム化!! ゲームは、物語が進むアドベンチャーパートと、神姫を操作して戦う3Dバトルパートを繰り返すことで展開。 武装パーツの購入やカスタマイズ、神姫との会話によるコミュニケーションなど、お楽しみ要素も満載! 心を通わせ、「神姫バトル」に勝利せよ! タイトル:武装神姫 BATTLE MASTERS(バトルマスターズ) 発売日:2010年7月15日 メーカー希望小売価格 UMD版 5800円[税込] ダウンロード版 4800円[税込] コナミスタイル通販 ※特別版とサントラを扱うのはコナミスタイルのみ 【送料無料】 武装神姫 BATTLE MASTERS 特別版+サントラセット 22,740円(税込) 武装神姫 BATTLE MASTERS 特別版 19,800円(税込) 武装神姫 BATTLE MASTERS (PSP) 5,220円(税込) 武装神姫 BATTLE MASTERS オリジナルサウンドトラック 2,940円(税込) 対応機種:PSP 仕様:UMD1枚(ダウンロードコンテンツあり) ジャンル:アクション プレイ人数:1~4人(アドホック通信対応) CERO審査区分:B(12歳以上対象) 武装神姫 BATTLE MASTERS公式サイト(PSP版ゲーム公式サイト) http //www.konami.jp/products/bs_psp/ 武装神姫シリーズ ポータルサイト http //busou.konami.jp/ コナミスタイル 武装神姫 BATTLE MASTERS特設コーナー http //www.konamistyle.jp/sp/busou_psp_sp/ ※コナミスタイルはメーカー直販サイトです。 武装神姫_BATTLE_MASTERS wiki http //www35.atwiki.jp/busou_psp/ 【PSP】武装神姫_BATTLE_MASTERS>>PART_16 http //jfk.2ch.net/test/read.cgi/handygame/1279430556/ 関連スレ オンラインサービス関連はネットゲーム板の該当スレへ ■武装神姫_BATTLE_RONDO>>PART_348 http //jfk.2ch.net/test/read.cgi/netgame/1279385889/l50 武装神姫のフィギュアの話題はおもちゃ板の該当スレへ ■コナミ_武装神姫_>>PART343 http //hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/toy/1279297027/l50 次スレは 900が立ててください。宣言や立てられない場合は指定を忘れずに。 2 ◆新機軸バトル「神姫ライドシステム」 神姫にライドし、LOVEパワー全開で必殺技やコンボ発動! ◆多彩なカスタマイズ! 豊富な武器や防具で、自分だけの神姫にカスタマイズ! ◆神姫たちは、人気声優によるフルボイス! LOVEの変化でイベント発生!神姫の個性に合わせたイベントが展開。 ◆最大4人での通信対戦バトル! アドホック通信により、タッグマッチやバトルロイヤルが可能。 ◆やり込み要素が満載 多彩なライバル神姫とのバトル/個性的なシナリオ/武器や武装が充実。 ◆充実のダウンロードコンテンツ配信予定 武装神姫の作家による書き下ろし武器など、続々登場。 コナミスタイル以外の特典付き店舗 いまじん http //imaginenext.shop21.makeshop.jp/shopdetail/003001000149/order/ http //www.imagine-group.jp/magicalpack/2010/07/15_010000.php ソフマップ http //www.sofmap.com/product_detail/exec/_/sku=11407535/-/gid=GF04030000 http //www.bokuaki.com/tokuten/main.php?id=67150382389931ttwgiazfzk 3 DL版とUMD版のロード時間比較 DL版の方が早い ~UMD版~ 全体→自宅へ 10秒 (自宅)神姫データ→武装エディット 2秒 (自宅)武装エディット→神姫データ 5~7秒 自宅→全体へ 3 秒 (ゲーセン)相手選択→会話開始 15秒前後 (ゲーセン)会話終了→戦闘開始 20秒前後 戦闘終了→賞金表示 6秒前後 賞金表示→会話 15秒前後 ~DL版~ 全体→自宅へ 5~7秒 (自宅)神姫データ→武装エディット 2秒 (自宅)武装エディット→神姫データ 4~5秒 自宅→全体へ 1秒(というかほぼ一瞬) (ゲーセン)相手選択→会話開始 6,7秒 (ゲーセン)会話終了→戦闘開始 6,7秒
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6019.html
オメガラビリンス 【おめがらびりんす】 ジャンル ローグライクRPG 対応機種 プレイステーション・ヴィータプレイステーション・ヴィータTV対応 発売元 D3パブリッシャー 開発元 マトリックス 発売日 2015年11月19日 定価 パッケージ版 6,800円ダウンロード版 6,000円(全て税別) レーティング CERO D (17才以上対象) 判定 バカゲー ポイント (文字通り)胸が膨らむダンジョンRPG オメガラビリンスシリーズ無印 / Z / ライフ 概要 特徴・ゲームシステム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 概要 D3の完全新作ローグライクで、開発はかつて『トルネコの大冒険シリーズ』を開発したマトリックス。 そのため同シリーズに近い要素も多いが、同時に(主に胸に関する)独創的な要素も多い。 学園の聖洞に眠るという美の聖杯に、巨乳になる事を願う事を望む主人公愛那を中心とした5人の少女の物語。 特徴・ゲームシステム ωパワー モンスターを倒すと手に入るもので、後述のバストアップ、鑑定、合成に使用し、金代わりにもなるという本作を象徴する要素。基本的にモンスターからしか入手できず、金のように地面に落ちてはいない。 パートナーシステム ダンジョンにパートナーを連れて行く事が可能(ソロ限定ダンジョンはある)、パートナーは自動で動き、スキルもランダムで使用するが、バストサイズ変化はなし。 パートナーは倒されても次の階で復活する。 バストサイズ変化 ωパワーを一定量入手する事で胸が大きくなりステータスがアップする(ダンジョン内限定で脱出すると元に戻る)。なおサイズアップは、そのサイズになってから手に入ったωパワーの総量で決まるため、バストダウンの罠を踏む以外で縮む事はない。 A、B~F、G~J、Kカップ(最大)で立ち絵が変化する。またKカップになった時はそのフロアの間のみ、更にステータスに補正がかかる発胸モードとなる。 逆にAカップはつるぺたの罠を踏むなど、特定状況下でのみ発生する状態異常「つるぺた」扱いであり、スキル、鑑定使用不可、PTAにすら無反応になる。 スキル 後述の悶絶☆覚醒で習得し、各キャラにつき4つ存在する。使用回数は悶絶☆覚醒のレベルによるが、クリームパンを食べるかバストアップ(J→K除く)で1回復する。 鑑定 ωパワーを使って未鑑定アイテムをプレイヤーキャラの胸に挟んで画面をドラッグする事で鑑定する(演出スキップ可)。胸元を露出させて下着を見せており、バストサイズで見た目も変化する。 特定の条件を満たす事でダンジョン外限定でNPCキャラでも鑑定が可能になる。 また妖精サイズしかないパイは手を使って鑑定すると、こちらはこちらでいろんな意味でアウトな代物。 このためωパワーさえあればどこでも鑑定ができるが、代わりにアイテムを使用しても鑑定されず、ダンジョン外でも低コストだが鑑定が必要になる。 合成 同じくωパワーを使う事でダンジョン内外問わず、何時でもパイのシルエットと意味深なボイスと共に合成してくれる。特定の武器か盾を合成する事で強力な装備が生まれる「特殊合成」もある。 トルネコなどと大きく違うのは、ベースとなる装備と同じ装備でしか強化値(最大+10)は増えず、また強化値に必ず+1される事。例えばショートソード+1(ベース)とショートソード+8を合成した場合、+9ではなく+2となる。 パイタッチアクション 略してPTA。立ち絵が表示されている状態なら、いつでもどこでも胸に触ると(つるぺた時を除いて)キャラが反応してくれる。悶絶☆覚醒の直後だと反応が違うなど細かい仕様も。名前に違わず、たとえ全身立ち絵が表示されていても胸以外はすべて無反応。 不思議な泉 ダンジョン内の特定のフロアにある泉にアイテムを投げ入れる事で、アイテムのレア度に応じたωパワーが入手できる。またたまにアイテムか敵が泉から出現する。 悶絶☆覚醒 ダンジョン内に落ちている悶絶香(青、緑、黄色、赤の4色でサイズがそれぞれ3種)を使い、拠点となる学園でキャラクターの基礎能力強化やスキル、パッシブスキルを習得できる(悶絶香毎のレベル制)。 悶絶香ごとに決められたシチュエーションのCGが表示され、「ビンカンスポット」をタッチして経験値を得る、また悶絶の名の通り触ると悶絶する。サイズ毎に特定の回数分タッチでき、ある程度興奮が高まると「悶絶モード」となり全てがビンカンスポット扱いになる。ビンカンスポットを多くタッチできた方が経験値が多い(スキップもできるが、しない方が経験値効率がよい)。 悶絶モードに突入した状態で「悶絶☆覚醒用のアレ」と称されるキャラ毎に対応したアイテムを使う事で、CGがさらに際どくなる。 本(所謂巻物ポジション)を使うと使用した本と悶絶香の種類で決められたキャラが対象キャラに言葉責めをする。また悶絶☆覚醒用のアレも悶絶モードにならなくても使用可能(どちらもビンカンスポットをタッチするより悶絶モードになりやすい)。 なお拠点で行うためバストサイズ変化には対応していない。 その他 壺がない(倉庫送りにする本はある)。代わりにアイテムは30個まで持て、装備品はアイテム欄を圧迫しないが、管理が重要になってくる。 満腹度の最大が常に100、拡張アイテムはあるが最大値が増えるのではなく、満腹度が減るまでの歩数が増える。 装備品は武器、盾、ブラ、パンツの4種があり、特殊効果のスロットは武器と盾が最大4つ、ブラとパンツは2つ。特定の武器と盾、ブラとパンツを装備する事でセット効果が発生する。 使うとそのフロアの間、使用したキャラのキャラクターソングが流れ、必中状態になる「マイク」というアイテムがある。 罠にはキャラ毎に一つ対応したものがあり、対応したキャラで踏むとCGが表示される(バスト変化対応でタッチ可能)。 店は拠点にしかない、また一度見たCGも購入しないとギャラリーに追加されない。 一つのフロアに長くとどまっていると「生ぬるい風」が発生し、それでも留まっていた場合、死神というモンスターが出現する。 評価点 やたら胸に拘った設定 愛那の目的は巨乳であり、ωパワーは胸に溜まる、バストサイズが強さに直結するなど清々しいほどに胸の事に力が入っている。 鑑定も未鑑定アイテムを胸に挟むことで胸に溜まっているωパワーを注入するという理由。 個性的なキャラクター 愛那を始めとしたキャラクターはしっかりと差別化されており個性的のため好評。サブキャラも妖精のパイは巨乳に挟まるのが好きなどやたら濃い。 ただ胸が膨らむというゲームで5人中4人が元々巨乳のため胸に拘りがない、というのは少し気になるかもしれない。 お色気要素 悶絶☆覚醒、罠などとにかく随所にサービスシーンが盛り込まれているため見ていて飽きない。CGと違いボイスつきでキャラが反応してくれるのも嬉しい所。 特に悶絶モードのCGはキャラの反応含めてかなりギリギリまで攻め込んでいる。 逆に言うと人前ではとてもじゃないがプレイできないと言う事でもあるが。 CGとして見ても、すべてがタッチ可能なお色気CGと非常に突き抜けている。 マイク 流れる曲はキャラのイメージに合っており、しかもフルサイズ。またどちらが歌っても2人共に必中効果がつくため好きなキャラに歌わせる事ができる。 特殊効果に必中の装備もあり、マイクも割と拾える上に店売り品のため歌を聴くためだけのアイテムとしても手軽に使用できる。 イロモノなゲーム内容に対してローグライク初心者向け パートナーを連れ歩け、悶絶☆覚醒で基礎能力を強化、スキルを習得でき、クリアまでに強力な装備を入手しやすいため、クリアまでならローグライクとしての難易度はかなり低い。 クリア後のチャレンジダンジョンは流石に難易度があがるが、それでもローグライクとしてはそこそこ易しい方。 賛否両論点 キャラ格差 なこが便利すぎる。腕力が5人で一番低く、攻撃スキルを一切覚えないが、覚えるスキルが「満腹度20%回復+そのフロアで満腹度減少なし」「フロア中自然HP回復量増加(重ね掛け可)」「2人のHP50%回復+悪性状態異常回復」「満腹度100%回復」とローグライクとして破格の性能。またパッシブスキルも「アイテムドロップ率アップ」「入手ωパワー上昇」「悪性状態異常確率無効化」と強力。他のキャラにも強力なスキルはあるが、補助スキルがなこに一極化しすぎている。 逆に美玲は不遇。魔力が微妙なのにスキルが魔力依存であり、対策ができない装備弾き(+呪い、錆)確率無効化という一見強力なパッシブスキルを持つものの、スキルレベル最大でも全く実感できないほどに確率が低い。このスキルが高確率だったら評価は大きく変わると言われるほど。 強力すぎる武器 ωソード【改】 その気になればクリア前でも作れるにもかかわらず、射程3マスの貫通武器という凶悪な性能であり、最終的にこの武器一択となる。さらに特殊効果の必中はこの武器を合成した時にランダムでセットされているため、素材としても最重要の武器。 聖女の槍というこの武器を合成素材とする装備があるが、何故かこの武器と同じ効果で攻撃力が下となっている。 聖女の杖(なこ限定) 腕力ではなく魔力を参照するため、腕力が低いが魔力が5人でトップのなこに持たせるとかなり凶悪になる。また特殊効果に腕力を大幅にあげるものがないのに、魔力を大幅に強化するものがあるのもこの武器には追い風。 胸に拘っている割にあまり拘っていない胸のグラフィック 上記の通り胸の見た目は各キャラ4種類しかない、BカップとFカップの見た目が一緒となれば流石に違和感しか感じない。 またアダルトゲームにありがちな設定と見た目が一致しない、というのもある。胸が膨らむためその違和感がより一層強い。 Bカップの愛那とDカップのなこ、紗衣里で明らかに別次元の大きさ(*1)であり、極端な所だとKカップまで成長した愛那とデフォルト(Fカップ)の真理華で互角の大きさとなっている。 シナリオ面はともかくシステム的には大きい事が正義のため、デフォルトの大きさが良いというプレイヤーには辛い部分がある。 素潜り 本作は上記の通り悶絶☆覚醒のステータス強化があり、これで強化された基礎ステータスを戻す事はできないため、本当の意味での素潜りができない。そのため慣れているプレイヤーとしては持ち込み不可のダンジョンでも物足りなく感じる事も。 問題点 愛那以外の加入が遅い 唯一紗衣里が序盤からいるが、彼女は胸の大きさを誤魔化しているという設定から、鑑定が行えず事実上のパートナー専用キャラとなっている。 一旦離脱後、再加入時に鑑定可能になる。 紗衣里と入れ替わりでなこが加入するのは、物語が折り返し地点を超えた辺りとなる。つまり、物語の半分近くを愛那でプレイしなければならない。 壺がない 壺がない事でアイテム管理が非常に面倒、また悶絶香はスタックできないためアイテム欄を圧迫する。 また壺がないにもかかわらず、アイテムを保護(*2)できるのは装備品とパンのみで、本や杖などは泥棒やパン変化などからピンポイントで守る手段がない。 敵関連 敵の種類が少ない。ボスモンスター含めて52匹。当然種類別に分ければ更に減る。 厄介すぎる敵「ウッキー」種 石とアイテムを全て未鑑定状態に戻す「ワスレ薬」というアイテムを投げてくる敵。ワスレ薬が効かないパートナーを壁にするのが定石だが、ルーチンがワスレ薬の射程3マス(石は4マス)からまず近寄ってこない。そのうえ飛び道具で倒そうと思うとHPが高め。 追い打ちをかけるように地面に落ちているアイテムを投げる能力まで持ち合わせている。一応地面にアイテムを置く事でオトリとして近寄らせる事ができるが、そもそもこんな厄介な敵に地面のアイテム投げまで持たせている事自体がおかしい。 「ヨロイ」種 所謂装備弾きをしてくる敵だが、今作には装備の特殊効果やセット効果でも装備弾きを防ぐ手段がない。防ぐ手段は美玲のパッシブスキルだけだが、上記の通り発動率が壊滅的に低い。最上位種ともなると、装備全てを一度に弾いてしまう。ブラとパンツをどうやって弾くのかは謎 パートナーと別れている時にパートナーの装備を弾かれてそのまま倒され、気付かず階段を下りるという悲劇も多発した。 「シニガミレイス」 ローグライクにおいてまさかの即死攻撃持ち(*3)。 防ぐ手段はクリア後ダンジョンの「魔物の塔」クリア報酬の「聖女のブラ/パンツ」のセット効果のみ。 シニガミ種の最上位モンスターのため出番は多くないが、出てきた時のプレッシャーは他のモンスターの比ではない。 パートナー あまりAIが賢くない、基本的にプレイヤーを追従し、自分から積極的に攻撃をしない。それだけなら余計な戦闘をしないためいいのだが、作戦に積極的に攻撃をする命令がない。 またスキルの使い方もお粗末、あと一撃叩けば倒せる敵の目の前で補助スキルを使うなど日常茶飯事。スキルを使用しない命令はあるが、使用率を減らす命令はない。パートナーにもスキル回数があるが(クリームパンを投げる事で回復可)、残り回数を見る事ができない。 バストサイズが成長しないため、深く潜れば潜るほど力不足が目立ってくる。クリア後のダンジョンの深部になると装備とレベルにもよるが2~3発で倒されてしまう。 元々一番胸が大きい真理華でもKカップ時と比べてHP以外11もステータスに差がある。参考までに悶絶☆覚醒をカンスト(レベル30)して悶絶香に対応した基礎ステータスに+10のため、バストサイズの補正は非常に大きい。胸が小さい愛那に至ってはKカップ時と17も違う。 罠 罠が全て白一色のため、非常にわかりづらい。 キャラ毎にCGがある罠があるが、罠を踏んだ時の台詞が終わるまではタッチはできるが、CGを閉じる事ができない。 もっさりしたモーション 『トルネコの大冒険3』でもあった問題だが、全体的にモーションがもっさりしている。そのため罠に気付いても踏んでしまうといった問題もそのまま残っている。 敵の攻撃やバフ、デバフもいちいちモーションが長く非常に面倒、その一方で最重要の生ぬるい風には何もエフェクトがついていない。 悶絶☆覚醒 演出は非常に好評だが、強化としては一回一回が長いため、やはり繰り返していると飽きるという意見が多い。スキップできるが経験値効率が落ちるため、それも憚られるという二重苦。 また悶絶香は倉庫に預けていても問題ないが、悶絶☆覚醒用のアレと本は所持していないと悶絶☆覚醒中に使う事ができない。 悶絶☆覚醒用のアレは各キャラ2種類あり、2つ目のほうは上位アイテムなのだが、悶絶モードでのグラフィックには変化がない。一応下位より悶絶モードに突入しやすいが数回タッチ回数が減る程度であり、かなり拍子抜け。 真理華は猫好きという設定からタッチすると猫の鳴き真似を多用するのだが、これが小林ゆう氏の声質も相まって、悶絶☆覚醒なのに萎えるという評価が非常多い。誤解がないように言っておくと、この声真似以外のボイスに関する不満は特にない。 賢者の洞窟 所謂パズルダンジョンだが、その中に運ゲーのものが混じっている。 「複数設置してある地雷をアイテム投げで発動させ、動けないモンスターたちを倒す」というものだが、地雷が作動するかはランダムであり、また地雷は1~3回使用でランダムで壊れてしまうのに、3回当てないと倒せない。最悪運が悪いと詰む。 また画面全体攻撃を持つ愛那や2回行動を持つ紗衣里だと無理矢理突破できてしまう事も。 ブラ、パンツ 武器、盾は強化の本があるが、ブラとパンツにはない。そのため地道に合成するしかないが、特定のダンジョンのクリア報酬でしか入手できず、ダンジョンを何度もクリアしなければならないものもある。 装備しても見た目が変わらない(紗衣里に至ってはサラシ)、もっとも見た目が変わったら透明なブラは完全にアウトになってしまうが。 DLC衣装 おそらく胸の差分を作るのが面倒だったため、変更してもホーム画面でしか適用されず、ダンジョンにその衣装で入る事ができない。 総評 胸が膨らむダンジョンRPGという物凄いイロモノな内容とは裏腹に、ローグライクとしては割と無難な出来。 問題点は少なくないが、初心者向けの難易度のためキャラクターやお色気要素が気に入れば気楽にプレイすることができる。 その後の展開 2017年7月6日に様々な追加要素を加えて、より大きくカオスになった続編『オメガラビリンスZ』が発売した。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2318.html
第1部 戦闘機型MMS「飛鳥」の航跡 第1話 「飛兎」 「・・・けっ、しけた神姫センターだぜ」 広々とした神姫センターを見渡したアオイはがっかりした。 西暦2041年 1月10日 大阪府のちょうど真ん中にある大阪城公園。そこには公園施設の一部を利用した武装神姫センターがあった。 『大阪府 大阪市 森之宮神姫センター店』 このセンターでは連日のように多種多様な航空神姫。空を飛べる武装神姫が飛び立ち、神姫センター内にあるバトルロンドで激しい空中戦を繰り広げていた。 □戦闘機型MMS 「アオイ」 Aクラス オーナー名「立花 一樹」♂ 24歳 職業 事務機営業マン アオイはどこにでもいる普通のアスカ型神姫だ。オーナーの立花もしがないサラリーマン。 2人は土日になるとぶらぶらとそこら辺りの適当な神姫センターに出入りしては、小競り合いを行っていた。 立花「まあまあ、いいやないかーとりあえず暇そうな奴を見つけてチーム組んで出撃しようや」 アオイ「暇そうな奴ね・・・」 2人は神姫センターで受付をすると、ピスト(待機所)でゴロゴロと日向ぼっこをしていたり昼寝や、武器を磨いてたりしている神姫たちに近寄った。 アオイ「よう!調子はどうだ?」 気さくに声をかけると、三文小説を流し見している天使型神姫が顎をさすりながらなにやらぼやく。 天使型「顎がいてェ、この間のバトルロンドで思いっきり殴られてよ」 それの答えに対してワシ型がにやにやしながらおどける。 ワシ型「嘘ツケ!!菓子の喰い過ぎだろうが」 天使型「うるせえ」 アオイ「バトルロンドに行かないのか?」 羽を広げて日向ぼっこをしていたセイレーン型が時計をちらりと見て答える。 セイレーン型「まだ定期便には早いぜ」 アオイ「定期便?」 聞きなれない言葉だ。 昼根をしていた黒い天使型が薄ら目を開けて答える。 黒天使型「定期便だよ。毎日決まった時刻に爆弾とミサイルを抱えた爆装した武装神姫のチームが来るんだよ」 アオイ「機種は?」 黒天使「・・・なんだ?貴様?戦いたいのか?」 黒天使はむくりと起き上がりアオイを値踏みするようにじろじろと見つめる。 アオイ「戦いたいのかって?当たり前だろうが・・・オレは武装神姫だぜ?」 ニヤリと不敵に笑う。 黒天使型はしばらく考えると、アオイにデータを見せた。 □黒天使型MMS「エーベル」 Sクラス オーナー名「斉藤 由梨」 ♀ 22歳 職業 商社OL エーベル「俺の名はエーベルだ、少しオマエに興味が持てた。そんなに戦いたいなら、俺が少し相手してやろう。話はそれからだ」 アオイ「ふっ・・・いいぜ、話が分かる神姫で助かる」 立花「おっ?どうしたアオイ?さっそく仲良く慣れたのか?」 アオイ「マスター、バトルロンドの用意を」 立花「あれれ?バトル?」 エーベル「手間はとらせねえよ」 アオイ「お前のマスターは?」 エーベルはくいっと顎をひねる。 エーベル「便所だ。一旦入ると長いからな、あの女・・・こっちは待たなくていいぜ」 ドルンドルンとエーベルはリアパーツのスラスターを吹かせる。 立花「・・・・」 アオイ「口の悪い神姫だぜ」 立花「オマエもだろが」 アオイも尻尾のエンジンをブウウウンと唸らせる。 アオイ「いいぜ、楽しめそうだ!エンジンも暖まってきたしな」 2人のやり取りを横目で聞いていた神姫たちがわらわらと集まってくる。 砲台型「えーなになに?バトルするの?」 花型「うはっ面白そう」 悪魔型「どっちが勝つか賭けねえか?」 戦車型「おまえはすぐに賭けとかうせーんだよ」 騎士型「くだらないな」 ワシ型「エーベルは強いよー」 サソリ型「でもあのアスカ型も強そうだぞ?」 ネコ型「どっちが勝つかニャー」 野次馬がまだ戦いも始まっていないのにあーでもないこーでもないと騒ぐ。 立花はやれやれとバトルロンドの筐体にすわりタッチパネルを叩きバトルの準備を行う。 To be continued・・・・・・・・ 次へ> トップページに戻る